4番と5番

おもに3番を打っていた鳥谷に対して、岡田は「3番は気楽よ。5番が大変」といっていたそうだが、本人が5番だったからねえ。

今年は昨年まで4番を打っていた大山が5番になって久しい。

若い森下、佐藤の後ろで、大変だというのは岡田の弁だが、しかし、森下、佐藤は後ろに大山がいるから、あまり敬遠もされず、勝負になっているところが、現在の結果になっているのか。

FA後に残留し、5番に回されるという話を聞いたとき、大山は困惑せず、むしろ意気に感じでいたそうだ。

自分が4番に座っていたときは、その後ろに5番がいたわけで、それがいたからこそ、自分も活きた、という感覚があるからだろう。

その大山が調子を上げてきた。

相変わらず夏男らしい。

そうなると阪神のクリーンナップは手がつけられなくなる。ついでに前川まで打ち始めたから、まあ、それはそれで良い状況に回ってきているのだろう。

マジック点灯という話も聞こえてきたので、もうちょっと他のチームにがんばってもらいたいと思う。セ・リーグよりパ・リーグの方が面白くなりつつあるからねえ。

坂本と梅野

今年は坂本が55試合の先発、梅野が22試合の先発で、まあ、レギュラーは坂本ということになっているし、オールスターも坂本が監督推薦で選ばれた。

しかし、以前は梅野がレギュラーであり、ゴールデングラブを取ったことも当然ある。

で、スタイルはやはり両者は違う、というか、梅野はどちらかといえばストロングタイプ。ぐいぐい速球で押すタイプの投手に合う。

これが坂本のヒントになったと思っている。

だから同じストロングタイプでは、戦力にならない。

頭の良い坂本はやはりそこから自分のスタイルを作り上げていったところはあるが、特にそれがはまったのが、大竹とのコンビだと思うのだ。

大竹はソフトバンクから現役ドラフトで阪神にやってきた。コントロールの良いピッチャーだが、それほど球が速くはない。だからソフトバンク時代はあまり評価が高くなかった。

それでも、現役ドラフトに出してもらったので、それはそれで彼は幸運だったかもしれない。

その大竹を活かすリードを坂本が考えた。それが緩急とコントロールを活かすリードだ。遅球という言葉が使われるようになったのは、大竹が元かもしれない。それは村上にも伝播している。

緩急なら、坂本。で。今の阪神の投手陣でストロングタイプなのは、才木ぐらいなものか。伊原はその可能性があるかもしれないが、あとは大竹、村上、伊藤は少なくともコントロールと緩急がなければ押さえ込めないだろう。

で、他球団は何も手をこまねいているわけではない。ここから、坂本のリードを読み切ることができれば、それなりに対応が利いてくるかもしれない。

8月、阪神は「死のロード」があり、まあ、その頃には各球団の坂本対策は手が打たれてくるだろう。

そのとき、阪神には梅野がいる。今度は梅野が坂本の裏をかく番だろう。

キャッチングは間違いなく、梅野が上手い。あとはストロングタイプを活かすか。今のうちに大いに考えてもらいたいところだと思っている。

レギュラーは固定すべきなのか

矢野監督から、岡田監督に変わったときに、まず佐藤輝のサード、大山のファースト、中野のセカンドコンバートを決めた。

これが現在の布陣の根幹になっている。その後、森下が加わり、センターの近本と合わせて現在5人のレギュラー選手はほぼ不動と言って良い。

1番 近本、 2番、中野、3番、森下、4番、佐藤輝 5番、大山まではまず変わらない。

その結果として、他の選手の出番はなかなかない。だから熊谷や植田のように他のポジションや代走でもいいから、出場機会を狙う、ということが必要になってくる。

ただ、この5人。近本の肩を除けば、それぞれの守備力は相当高くなっている。佐藤輝が一番危うく、昨年はいろいろあったが、しかし、今年は安定している。

だからレギュラーなのだとも言える、レギュラーに決められるから強いとも言える。

だが、野球にケガはつきもの。今年、ヤクルトの村上や長岡、巨人の岡本など負傷で出られなくなった選手が出ると、やはり層の厚さが問題になる。実は阪神も同じことで、この5人に取って変わる選手はいるか?と言われると、危うい。

それは先日の石井の離脱でも同じように言える。石井が1人いなくなっただけで、あれよあれよと7連敗したのだ。

幸い石井が早く復帰したので、またけが人が少ないが、森下など、内角攻めをされているから、いつデッドボールでやられるかわからない。近本も以前デッドボールで負傷し1ヶ月を棒に振った。

本来はレギュラー陣に近いメンバーとレギュラーが切磋琢磨して、その座を争うのが良いのだ。

例えば、梅野と坂本は、二年前は梅野だった。しかし、梅野の負傷で坂本がメインに変わり、今は坂本がレギュラーになっている。

捕手は1人でシーズンを通せるほど甘くはないので、現在の出場比率は、坂本55試合、梅野22試合。

しかし、まあ、このくらいで変わっていると良い結果が生まれるのかもしれない。

したがって、阪神はまだ充分ではない。5人のうち誰かがケガをすれば、一気に崩れる可能性はあるのだ。

選手層の厚さ

7月は育成登録の最後で、球団は育成枠以外では基本的に70名の選手しか抱えることができない。

したがって、その年の戦力として誰が良いのかを選抜し、積み重ねてくるわけだが、しかし、それはどのチームも同じこと。

その優劣はある意味、選手層の厚さというところに跳ね返ってくるところがある。

7月5日のベイスターズ戦、すべての打点を熊谷があげる活躍を見せた。

熊谷はユーティリティープレーヤーとして知られる。足は速い。内外野、捕手以外は全部やれる。大山に代走が出たとき、1塁を守ったのは熊谷だった。そうか、熊谷は一塁もできるのか、と思ったものだ。

代走の植田もそうだが、実は彼らは毎試合同じルーティンをこなしながら、次の出場機会を狙っている。ここが他の選手とちょっと違うところだろうと思うのだ。

何もすべての守備をこなさなくても、得意な守備でがんばってあとは打力で勝負する、ということもあるだろう。しかし、守備をカバーするところが広ければ、出場機会が増えるのも事実だ。植田が中野の代わりにセカンドに入ったのも記憶に新しい。

一軍のベンチ入りは31名と決められている。したがって、どういう戦力を入れるか、どのチームの首脳陣も悩むわけだが、コツコツとやって出場機会を狙っている選手がいると、こういう試合ができるのだと思った。

これで小幡もウカウカはしていられない。やはり打たないとね。

植田が国内FA権をとったというのも、うれしい話だ。

しかし、レギュラー陣がしっかりしていると、こうでもしないと試合に出られない、というのは一理あるかもしれない。岡田はレギュラーを固定して使っていたが、その結果がこうなのかもしれないとふと思った。

大山のスタメン落ちに思うこと

大山が今季初めて、スタメンを外れた。

直近で5割近いアベレージを残す選手をスタメンから外すので、「ケガか?」と思ったが、疲労を考慮しての判断らしい。

これはここのところの暑さで非常に大事なことだと思っている。

日本ハムの伊藤大海もプチ熱中ということだが、多分、この暑さで相等疲労が襲う。プロ野球の選手は週6日試合をしているので、それは相当に体力がいる。

なので、やはり日本のプロ野球もそろそろその点を考えて行った方が良いだろう。

1)連続試合出場などはあまり、考えない。
これは割と大事にする選手が多いのだが、ここに価値を置いてしまうと、つい無理をしがちだ。メジャーは「今日は休み」という日を作ることがあるので、それをある程度参考にしておくのも大事だ。

2)ドーム球場
やはりドームでやれば、疲れは違う。巨人の選手が東京ドームから甲子園にくると、相等バテるだろう。中日の選手も同じだ。阪神の選手は甲子園がホームだから、それなりに暑さは強いだろうが、この先ドーム球場を考えても良いかもしれない。甲子園はドームにはなかなかならないだろうから、新球場というのもひとつのアイデアだ。

その他、評価の仕方もいろいろ考えるべき時期に来ているかもしれない。いずれにしても、これから日本の夏はこんな感じになるのだろうから、お客さんも外で観戦するのは大変なのだ。プロ野球の観戦はちょっと、と二の足を踏まれないようにしないといけないだろう。

その点エスコンフィールドは素晴らしい決断だった。

神戸を新たに埋め立てて、新甲子園というのはできないものか。

なぜ佐藤輝はサードに戻ったのか

藤川阪神の本質は守備的野球である。

これは岡田路線がそのまま、継承されていて、藤川自身が投手だったから、当然投手に対する評価は厳しい。しかし、これまでもタイガーズの投手陣はそれなりに力のある投手が揃っていて、現在の先発陣は、昨年とは才木、村上、大竹が同じ。ここへ伊藤、伊原、デュプランティエが加わった、伊藤は復活したので、したがって先発陣にはさらに二人の西、ビーズリー、復活途中の高橋遙人、中継ぎになったが門別も次をしっかり狙っている。

豊富な投手陣で失点を少なくして勝つ野球だから、当然守りにも力を入れる。

ショートについては、昨年から藤川は小幡にすることを心づもりとしては置いていたと思う。問題は打力で、木浪と比べればまだまだ、というところはあったのだが、その木浪が調子を落としてしまえば、打力が変わらないのなら、守備範囲が広い小幡が良いということになる。小幡は木浪に比べて足が速い。阪神のショートは足が速くないといけないところがある。それは近本の方に原因がある。

近本は走攻守に揃った選手であることは疑う余地はないが、しかし、肩だけは故障してしまって、強い方ではない。したがって中継のショートがなるべく、近本に寄り添い、さらにバックホームしなければならなかった。

木浪も肩は悪いほうではないし、近本に寄り添ってきたわけだが、しかし、小幡の方がさらに速く近本に近づけるメリットがある。

しかし、肩が弱いのはもう一人いた。

それが前川である。2025年レフトのスターターは前川がとった。しかし、前川もまた守備には難があり、かつ肩が弱い。そこをカバーする打力が魅力なのだが、5月以降調子を落とした。それで、彼は二軍落ちする。ただ、前川を二軍落ちさせるにあたって、ひとつのプランが浮上していた。

それが、佐藤のライトである。佐藤をライトに、森下をレフトにすれば、二人とも肩は強いから、両翼のバックホームの力は強くなる。つまり守りが一段階上がる。さらに小幡がフォールする相手が近本だけになるから、それもまた心強い。

一方サードには、人材がいる。

新外国人のヘルナンデス、今ファームにいるが渡邊諒、代打の切り札である糸原、さらに伏兵熊谷も控えている。そしてもうひとつオプションがあった。

それが木浪だ。

木浪の打力が上がれば、サードに、というのはひとつのオプションになる。なので、交流戦の途中、木浪をファームに落とした、木浪は最早打力が上がってこない限り上はないよ、と言われているようなものだが、しかし、それでもまだ活きる目はある。

が、ここに伏兵が現れた。

同じく下に落とされていた嶋田だ。5月中旬から調子を上げ、ファームの打率が4割に届きそうだった。元々選球眼は良い。足もある。肩も強い。ただ、打力がもうひとつ。嶋田は近本が入る前は、有力なセンターだったと思う。が、近本が入って、彼の行き場はなくなっていた。

一方サードは交流戦で日々選手が代わったが、今ひとつ決まらなかった。本来の候補である木浪もダメだが、それぞれチャンスが与えられていても、抜群、というところまではいかない。ファームからすでに上がってきた前川も、代打では今ひとつ。

しかし、嶋田が元気なら、サードを佐藤にして、レフトを前川にし、さらに後から嶋田を出せば良い、ということになる。しかも最後の1打席ぐらい嶋田に回るだろうから、そこで何らかチャンスが生まれれば、嶋田がレギュラーになる可能性もあった。

ということで、佐藤はサードに戻ってきた。

そして、7月3日、豊田が2試合連続でレギュラーのレフトを守った。彼は阪神では貴重な右バッターで、まあ、それなりに守れもする。その彼がサヨナラのヒーローとなった。

豊田は貴重な右打者だ。調子を落としている原口の代わりに右の代打で使っていた。巨人3連戦のうち、うしろ2試合は左投手。豊田にチャンスが回ってきた。

こうやっていろいろヒーローが出てくるチームは強い。

いろいろ布石はあるのだが、野球はだから面白い。