今年は坂本が55試合の先発、梅野が22試合の先発で、まあ、レギュラーは坂本ということになっているし、オールスターも坂本が監督推薦で選ばれた。
しかし、以前は梅野がレギュラーであり、ゴールデングラブを取ったことも当然ある。
で、スタイルはやはり両者は違う、というか、梅野はどちらかといえばストロングタイプ。ぐいぐい速球で押すタイプの投手に合う。
これが坂本のヒントになったと思っている。
だから同じストロングタイプでは、戦力にならない。
頭の良い坂本はやはりそこから自分のスタイルを作り上げていったところはあるが、特にそれがはまったのが、大竹とのコンビだと思うのだ。
大竹はソフトバンクから現役ドラフトで阪神にやってきた。コントロールの良いピッチャーだが、それほど球が速くはない。だからソフトバンク時代はあまり評価が高くなかった。
それでも、現役ドラフトに出してもらったので、それはそれで彼は幸運だったかもしれない。
その大竹を活かすリードを坂本が考えた。それが緩急とコントロールを活かすリードだ。遅球という言葉が使われるようになったのは、大竹が元かもしれない。それは村上にも伝播している。
緩急なら、坂本。で。今の阪神の投手陣でストロングタイプなのは、才木ぐらいなものか。伊原はその可能性があるかもしれないが、あとは大竹、村上、伊藤は少なくともコントロールと緩急がなければ押さえ込めないだろう。
で、他球団は何も手をこまねいているわけではない。ここから、坂本のリードを読み切ることができれば、それなりに対応が利いてくるかもしれない。
8月、阪神は「死のロード」があり、まあ、その頃には各球団の坂本対策は手が打たれてくるだろう。
そのとき、阪神には梅野がいる。今度は梅野が坂本の裏をかく番だろう。
キャッチングは間違いなく、梅野が上手い。あとはストロングタイプを活かすか。今のうちに大いに考えてもらいたいところだと思っている。